名古屋で調査している期間は、よっぽどのことがない限り、探偵さんから連絡は来ないという。
次回、調査終了した翌々日のお昼に、名古屋の探偵さんの事務所にくることになった。
その間わたしたちもなんとなく落ち着かないので、報告の日まで会わないでいることにした。

会社の方にチラシを取りに行っても探偵さんはいない。
名古屋の調査のときは、なにかと準備もあるのか、あまり会社にも顔を出さなくなるようだ。

わたしは１週間、煩悩を振り払うようにチラシ配りに専念し、稼いで置いた。
１週間は、あっという間だった。

いよいよ、名古屋の調査の結果報告の日。
友達の家には午前中からお邪魔した。
旦那さまの実家へ子どもを預けにいって、早目のランチをとるためにファミレスへ。
と言っても、結果が気になり、それほどの食欲も出ず、会話も少ない。

結果のわからないことについて、話題に出すのも悪いような気がして、チラシ配り中に見かけた変な人の話しを意味なく続けた。

約束の１２時より少し前、会社の方へ到着。
名古屋の探偵さんはもう来ていた。
「さっそくだけど・・・。」
と、ちゃんと表紙のついた“調査報告”と書かれた書類が出てきた。
彼女は、カバンから残りの金額の入ったであろう封筒を取り出す。
ン十万という金額。

それで、結果は・・・。
“黒”でした。
会社では、きちんと残業をこなしてから退社をしていたようで、平均の退社時間は８時〜９時。
遅い日は１０時半近くでした。

そして、まっすぐ向かった先は、電車の駅３駅分のところにある４階建のアパート。
この５日間で、自宅に帰ったのは、たったの２日。
夜帰ってきて、朝コーヒーを飲んですぐに出社。
「忙しい。」
と言うだけだったという。

お相手の女性はなんと独身の人。
旦那さまより１０歳ほど若い女性だった。
どこで知り合ったか、まではわからないようでしたが、名前、住所、年齢、今は特に勤務している気配はない、ということまでが記載されていた。
ここまでわかってしまうのだ、と、初めて報告書を見たわたしは、驚いてしまいました。

報告書には、何時に調査を開始して、ということから、何時に会社を出てきて、どこで電話をして、電車に乗って、と、時間とともにその行動まで細かくかかれていました。
“笑顔で電話を切る”
なんて言葉、見た友達は辛かったのではないでしょうか。

名古屋の探偵さんは、このあと、どうすればよいのか、とか、それから先の話まで、よかったらアフターケアとして話しを聞くので、メールください、と言っていた。
調査で忙しいときは、気が立っているので、必ず電話ではなくメールで、と念を押していましたが。
やっぱり、調査を依頼する人には、なんか優しい気がする。

それからも、悩んでいる友達を１人紹介した。
この友人は、細かいことまでわたしに聞かせるのは申し訳ないと、一人で事務所を訪れたので、どんな調査になったかは、わたしは知らない。

出来れば、この先。
自分が探偵さんを雇うような悩みが出ないことを祈るばかりだ。